簡単に言うと、歯を支える骨（歯槽骨）に切れ目を入れることです。その骨の部位により名称（コルチコトミー、オステオトミー）が異なります。それにより、歯が動きやすい環境をつくり、矯正の動的治療期間の短縮を図るものです。また、歯自体にかかる負担を減らしたり、後戻りしにくいなど、期間以外のメリットも報告されています。
現在、アメリカの主要な歯科学会では矯正のトピックとして毎回取り上げられ、世界各国の論文でもその効果について評価されているこれらの治療法ですが、歯科矯正学、解剖学、口腔外科学、歯周病学など多岐にわたる高度な知識・技術を必要とするため、日本国内で、コルチコトミー（オステオトミー）併用矯正を行える歯科医師は多くはありません。
骨に切れ目を入れる処置というと恐ろしく感じますが、実際には、局所麻酔（無痛注射で痛みをほとんど感じません）で通常30～40分で終わり、腫れも残らない処置を行う症例がほとんどで、大掛かりな症例でも2、3時間程度の簡単な手術（もちろん入院の必要はありません）で、親知らずを抜いた程度の痛みや腫れが2、3日あるといったものです（個人差はあります）。とはいえ、外科処置にはリスクは少なからずございますし、治療費も高額になります。リスク、治療費に関しては、各症例によって、必要な術式、部位等が異なるため、ご来院時にお尋ねください。

当院では、矯正の治療期間について、診断時の設定期間を超えて矯正治療が長引いた場合、追加の調整料（毎回の治療費）は一切頂きません。（来院回数が規定に満たない場合などの、例外あり）「結婚式（留学）前に歯並びを治したいけど、時間が…」という方も、あきらめる前に一度ご相談されることをお薦めします。